富士フイルム、米・英で140億円の設備投資/バイオ医薬品の生産能力増強
富士フイルム(東京都港区)は18日、米国・英国のバイオ医薬品のCDMO(生産プロセスの開発受託および製造受託を行う会社・組織)拠点に総額約140億円の設備投資を行うと発表した。
米国では、FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texas, LLCが、約100億円をかけて建設を進めてきた、cGMP対応の生産棟がこのほど完成。今後、約30億円を投じてバイオ医薬品の生産に必要な設備を導入し、2018年初めの稼動を予定する。
完成した新生産棟にシングルユース仕様の2,000リットル動物細胞培養タンクを3基導入する。これにより、生産能力の増強を図るとともに、バイオ医薬品や治験薬の多様化による多品種生産に対応する。さらに、新生産棟には動物細胞培養タンクを最大12基まで導入できる拡張スペースを有しているため、顧客からの増産要請や需要拡大にも対応できる。
英国では、FUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited に、約10億円をかけてバイオ医薬品の生産プロセスの開発拠点を増設し、2017年夏の開設を予定する。
新拠点には、医薬品の成分などを高速で自動分析できる最先端機器や培養・精製の小スケール実験が全自動で行える最新鋭設備などを導入し、独自の高生産性細胞作製技術「Apollo」と組み合せて、顧客ニーズに応じた高効率な生産プロセスをスピーディーに開発する。
■ 設備投資概要
◇ 米国
会社名:FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texas, LLC
所在地:College Station, TX, US
投資額:約30億円(他、完成済み生産棟に100億円)
目的:バイオ医薬品の生産能力増強
内容:シングルユース仕様の動物細胞培養タンク(2000リットル×3基)など
稼働予定:2018年初め
◇ 英国
会社名:FUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited
所在地:Wilton, UK
投資額:約10億円
目的:バイオ医薬品の生産プロセスの開発
内容:医薬品の成分などを高速で自動分析できる最先端機器や培養・精製の小スケール実験が全自動で行える最新鋭設備など
稼働予定:2017年夏