シチズンマシナリー（長野県北佐久郡）は8日、タイとベトナムにある製造拠点を増床し、板金塗装と自動旋盤の土台部分などに使用する鋳物の生産能力を拡大させると発表した。

　工作機械業界は、内需に加えて中国を中心とした外需も好調で、昨年末から好受注が続いている。同社も足元では過去最高レベルの受注状況となっており、各工場とも高水準での生産が続いている。

　今回、好受注への対応と共に、2018年度を最終年度とする中期経営計画達成の基礎づくりとして、タイに板金塗装の新工場棟を建設、ベトナムでは鋳物工場を増床し、東南アジアでの生産能力を拡大する。

　タイ工場は、外注比率が高い自動旋盤カバー板金の塗装工程に関して、今後の安定確保が課題となっていた。特に塗装工程は高い外観品質が求められることから、内製化を進めるため、工場棟を建設する。増床により、塗装能力を現状の月産50台から150台の3倍に拡大する。

　ベトナム工場では、シンコムブランド自動旋盤の土台部分などの鋳物を製造している。今回の増産対応に加えて、鋳物製造の各工程（加工、梱包、出荷）の動線を見直し、作業効率向上を図る。これにより、鋳物の生産能力を現状の月産350トンから450トンへ約3割向上させる。