東レ、韓国でLiB用セパレータフィルムの生産能力増強
東レ(東京都中央区)は19日、韓国子会社のToray Battery Separator Film Korea Limited(以下:TBSK)が製造するリチウムイオン二次電池用バッテリーセパレータフィルム「セティーラ」の生産能力増強を決定したと発表した。
投資額は約2,000億ウォン(約200億円)で、今回の増強によりTBSKにおけるバッテリーセパレータフィルム(以下:BSF)を年産約50%増強する。
同時に、韓国子会社であるToray BSF Coating Korea Limited(以下:TBCK)で、BSF用のコーティング設備の増設を決定し、約1,500億ウォン(約150億円)を投じてTBCKのコーティング能力を約400%増強する。
「セティーラ」は、高機能・高信頼性を有したBSFで、携帯型電子機器や電気自動車等で普及しているリチウムイオン二次電池(以下:LiB)用のセパレータとして幅広く使用されている。BSFの世界需要は、民生用途の拡大に加えて世界的な電気自動車の普及により車載用途の急速な拡大が見込まれている。
また、車載用LiBは、航続距離延長のニーズから高容量化が進む一方でコストダウンと高い安全性が求められており、LiBを構成する主要な部材であるBSFに対しても耐熱性や易接着性など、様々な機能が求められている。こうしたニーズに対して、東レはBSFにコーティング加工を施した製品をラインナップしており、車載用途の多くがコーティング品となることから車載用途の増加に伴い、コーティング設備の増強も決定した。
東レは、2020年近傍のBSFの生産能力について、1,200億円規模の投資を行い、2017年度比3倍増、合わせてコーティング能力の増強を行う計画。今回のTBSKの生産設備能力増強、TBCKのコーティング能力増強は、その第1弾となる。
■ 設備投資概要
◇ Toray Battery Separator Film Korea Limited
所在地:大韓民国慶尚北道亀尾市
投資額:約2,000億ウォン(約200億円)
増産品目:リチウムイオン二次電池用バッテリーセパレータフィルム「セティーラ」
生産能力:約50%増強/年
◇ Toray BSF Coating Korea Limited
所在地:大韓民国忠清北道清州市
投資額:約1,500億ウォン(約150億円)
設備:BSF用コーティング設備増設
生産能力:コーティング能力約400%増強