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積水化学、常滑市で住宅向けフィルム型LiBの増産

2018年4月24日

 積水化学工業は23日、子会社でリチウムイオン二次電池など製造するエナックス(東京都文京区)が、中部事業所で設備増強をすると発表した。

 投資額は約40億円。住宅向けを中心としたフィルム型リチウムイオン電池(フィルム型LiB)単電池の建屋・生産設備を増設する。2019年度下期の稼働開始を予定。稼動後のフィルム型LiBの生産能力は約1万棟分となる。

 同社製品は、京セラが販売する住宅用蓄電システムを構成する電池ユニットに搭載され、同システムを同社のセキスイハイム商品に採用している。

 2019年には、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)の適用が終了するPV(太陽光発電システム)搭載邸が生じ始め、以降増加が見込まれることから、PVで発電した電気を有効活用するために蓄電池の需要が拡大すると予想されている。

  加えて、国内で災害が相次いでいることを背景に、防災・減災意識が高まり、エネルギーの自給自足、安心・安全に貢献する蓄電池への関心が高まっている。

 今後、京セラとの連携により、住宅用蓄電システムの製品バリエーションの拡大を検討するとともに、新築向けだけでなく、2019年以降FIT適用が終了するPV搭載邸の顧客に向けた拡販も進め、拡大が予想される住宅向け蓄電池需要の獲得を図る。

 また、住宅向けフィルム型LiB単電池生産機能のエナックス中部事業所への集約とあわせて、つくば事業所では、車載向けフィルム型LiBの開発体制を整備・強化する計画。

■ 設備投資概要

会社名:エナックス(株)
所在地:愛知県常滑市新開町6-1-8(中部事業所)
投資額:約40億円
生産品目:フィルム型リチウムイオン電池
生産能力:約1万棟分(増設後のフィルム型LiB生産能力合計)
稼働開始予定:2019年度下期

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