日本水産、茨城にEPA医薬品工場/80億円を投資
水産事業、加工事業、医薬品事業などを手掛ける日本水産(東京都港区)は18日、ファインケミカル事業の基幹工場である茨城県神栖市の鹿島工場隣地に、新たに鹿島医薬品工場を建設すると発表した。
新設する鹿島医薬品工場は、医薬品原料としてのEPA生産に特化し、高純度EPAの抽出・精製技術を結集させた最新の生産設備を導入する予定。
今後予測される国内外のEPA医薬品市場の拡大に向けて、海外への医薬品供給には不可欠のcGMP基準による品質・生産管理を実施し、世界最高水準の品質と生産性を追求する。
新工場の特徴として、将来の海外輸出を視野に、cGMP基準対応とし、高品質で安全かつ高生産性の生産施設とする。原料の魚油から高いEPA回収率を実現し、さらに低いEPA含有濃度の原料魚油からでも高純度EPAの製造を可能にする。これにより原料魚油の選択範囲の拡大が可能となる。
精留過程で使用する熱源には、熱効率のよい高圧蒸気を使用。高温のプロセス液冷却で得られる熱エネルギーを回収して蒸気を発生させ、これを熱源として有効利用するなど、環境負荷を低減する。
製品保管倉庫は自動倉庫とし、製造所からの無人搬送車による自動搬送設備と組み合わせて、入出庫作業を省力化する。また免震ラックを採用して、地震の揺れから製品を守るとしている。
■ 新工場概要
名称:日本水産 鹿島医薬品工場
投資額:約80億円
所在地:茨城県神栖市東深芝18-2
敷地面積:19,000㎡
建物面積:2,023㎡
延床面積:3,609㎡
構造:医薬品製造所 鉄骨造2階建
:医薬品倉庫・出荷場などのその他の施設 鉄骨造平屋建
主要保有設備:医薬品製造所 魚油高度精製用の連続蒸留設備、液体クロマト設備
:医薬品倉庫 免震架台を有する自動倉庫
:施設内の製品移送 自動搬送設備(コンベア・AGV)
設備能力:医薬品製造所 医薬品原料生産能力420トン/年
:医薬品倉庫 200リットルドラム缶製品保管量は最大720ドラム
関連施設:屋外タンク タンクヤード2施設分、コーンルーフタンク10基、医薬品工場専用の医薬品用窒素タンク1基
:第2水処理設備の設置 生産能力増強に伴う砂ろ過およびRO水の処理能力の増強
稼働予定:2018年1月