豊田通商、福島・楢葉町で炭酸リチウム製造/90億円投資
2019年4月15日
豊田通商は12日、豪リチウム資源開発会社Orocobre Ltdと合弁で新会社「豊通リチウム(株)」を設立し、水酸化リチウムの製造を開始すると発表した。
豊田通商は、2014年末からOrocobreとともにアルゼンチンオラロス塩湖での炭酸リチウム生産を開始し、2018年11月末に拡張を決定。
需要が伸びている車載二次電池用炭酸リチウムの供給だけでなく、リチウム電池の技術革新に伴い二次電池の高容量化も見込まれることから、原料となる水酸化リチウムの生産・供給体制を構築することとした。
生産する水酸化リチウムの原料(炭酸リチウム)は、アルゼンチンのリチウム生産拠点Sales de Jujuy(サレス・デ・フフイ:SDJ)から調達し、生産能力は年間10,000トンを目指す。
販売は、グループ会社である豊通マテリアルが100%を請け負い、車載二次電池用だけでなく他工業製品用にも販売する予定。また、同事業は東日本大震災の復興支援である経済産業省の自立帰還支援雇用創出企業立地補助金の対象で、豊通リチウムでは50名以上の新規雇用を予定しており、地域経済の活性化や復興の加速化に貢献する。総事業費は90億円程度を見込んでいる。
■ 設備投資概要
会社名:豊通リチウム(株)
所在地:福島県双葉郡楢葉町
投資額:90億円程度
従業員数:50名以上
生産品目:水酸化リチウム
生産能力:10,000トン/年
着工:2019年上半期
生産開始予定:2021年上半期