三菱ケミカル、イタリアに炭素繊維複合材料の新工場
2019年7月12日
三菱ケミカルは11日、炭素繊維複合材料であるSMC(Sheet Molding Compound)の製造設備を、同社が44%出資するC.P.C. SRL(本社:イタリア・モデナ市、以下:CPC)の隣接地に新設すると発表した。
同社が開発したSMCは、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の中間基材の一種で、長さ数センチメートルにカットされた炭素繊維を樹脂中に分散させたシート状の材料。プレス成形により2~5分程度の短時間で部材に加工可能であることに加え、連続した炭素繊維に樹脂を含浸させた中間基材であるプリプレグと比べて、複雑な形状の部材を成形することができる。
同社は、現在愛知事業所(愛知県豊橋市)においてSMCを製造している。国内では自動車のドアインナー・ラゲッジインナーやバックドアの構造材などに既に採用されており、また、欧州では、CPCを通じてCFRPを主構造材としたモビリティ分野の開拓を行ってきた。現在、欧州の高級車メーカーを中心に複数社から材料認定の取得を受けるべくSMCの開発を進めており、今後もその採用が増えていくことが期待されている。
今回、こうした需要に応じるべく、イタリア・モデナ市に生産設備を新設し、生産能力を増強する。これによりSMCの生産体制を愛知事業所とあわせて、グローバルに拡販を進めていく。
■ 新工場概要
所在地:イタリア・モデナ市(C.P.C. SRL 隣接地)
事業内容:炭素繊維複合材料「SMC」の製造
稼働開始予定:2020年9月