日本ガイシは7日、愛知県の小牧事業所に自動車排ガス浄化用セラミック製品の新たな実験施設「第2エンジン実験棟」を建設すると発表した。

　同社は現在、名古屋事業所（名古屋市瑞穂区）のエンジン実験棟で自動車排ガス浄化用製品の評価・実証を行っている。今回、世界各国でますます厳しくなる自動車の環境規制に対応する新製品を開発、供給するため、小牧事業所内に新実験棟を建設し、開発・評価体制を拡充する。

　第2エンジン実験棟には、自動車のエンジンや排ガス計測装置を設置し、主にEHC（電気加熱式触媒）などの新製品開発のための実験・評価を行う。投資額は約60億円で、2020年12月の稼働を予定している。新棟は、愛知県による「21世紀高度先端産業立地補助金」および小牧市による「企業立地促進補助金」に選定されている。

　世界の自動車市場は、新興国での需要増加により拡大を続けており、ハイブリッド車（HEV）やプラグインハイブリッド車（PHEV）を含む内燃機関車の市場は、2025年～2030年段階でも現状を上回る年間1億台規模で推移する見通し。

　地球環境保全の観点から普及加速が見込まれているHEVやPHEVは優れた燃費性能を有しているが、エンジン駆動に切り替わった直後に発生する有害成分の低減が求められている。

　同社はHEV・PHEVの車載電源を利用して排ガス浄化用触媒を予熱し、浄化性能を高める新製品としてEHCの開発に力を入れている。第2エンジン実験棟の稼働により開発を加速し、2023年以降の小規模量産開始を目指す。