ニッカウヰスキー、国内2拠点でウイスキー増産/65億円投資
2019年10月9日
アサヒグループホールディングスは7日、グループ会社のニッカウヰスキーが余市蒸溜所と宮城峡蒸溜所で設備投資を行うと発表した。
嗜好の多様化により、国産ウイスキー市場は拡大を続けている。アサヒビールが販売する国産ウイスキーは、主力の「ブラックニッカ」ブランドが伸長し、2018年は前年比109%となった。一方、市場の急拡大に伴う原酒不足により、「竹鶴」「余市」「宮城峡」を中心としたプレミアムウイスキーは2014年以降、出荷調整が続いている。
今回新たに約65億円の設備投資を行うことで、出荷調整をしている一部のプレミアムウイスキーや、伸長を続ける「ブラックニッカ」の生産増強を図る。
原酒の貯蔵については、両蒸溜所で各1棟、合わせて2棟の貯蔵庫を新設し2021年までの稼働を予定している。ニッカウヰスキー全体の原酒貯蔵能力は約2割増となる見込み。
原酒の増産については、両蒸溜所で設備増強を行う。余市では、樽詰めタンク、出荷タンクなどを増設することでモルトウイスキーを増産する。
宮城峡では、モルトウイスキーに加えて、グレーンウイスキーを増産するためにカフェスチルの蒸溜工程で一部自動化を行い、製造工程の効率化を図る。2022年以降の原酒製造能力は2018年比で約120%、2015年比で約210%となる予定。
■ 設備投資概要
投資額:約65億円
稼働開始予定:2021年まで
◇ 余市蒸溜所
所在地:北海道余市郡余市町黒川町7-6
増産品目:モルトウイスキー
◇ 宮城峡蒸溜所
所在地:宮城県仙台市青葉区ニッカ1番地
増産品目:グレーンウイスキー