大阪有機化学工業、金沢工場の新設備が稼働開始
2019年10月30日
大阪有機化学工業は29日、金沢工場で半導体レジスト用モノマーの新規設備を建設し、最先端であるArF用とEUV用モノマーの供給体制を整えたと発表した。
半導体レジスト用モノマーの新規設備は、金沢工場で2019年2月に竣工し、6月からテスト生産を行っている。同社は、1996年からArF用モノマーの開発を進めており、2014年に出光興産からアダマンタン関連の事業譲渡を受けたことで、現在同分野ではトップシェアとなっている。
近年、デバイスメーカーもシングルナノオーダーの超微細加工を本格稼働させている。それに伴いEUV用モノマーも試作段階から本格的な量産段階に移行している。最先端レジスト用モノマーは金属不純物の混入を極限まで下げることが要求されており、これら要求に応えるため、新規増設を決定した。
新規設備は、投資額約22億円、鉄骨造4階建て、延床面積1078㎡。金属不純物の混入を防止するため、同社初となるテフロン製の反応、精製装置とクリーンルームを導入し、設備、環境からの金属混入を極限まで下げることができる。
今回の新規設備により、従来のArF用モノマーの供給力は約1.5倍となり、最先端レジスト用モノマーのより厳しい品質に対応し、供給面としてもトップシェアとしての地位を確立する。
■ 新棟概要
所在地:石川県白山市松本町1600-1(金沢工場)
投資額:約22億円
延床面積:1,078㎡
構造:鉄骨造4階建て
事業内容:半導体レジスト用モノマーの製造
生産能力:約1.5倍(ArF用モノマー)
稼働開始:2019年10月