富士フィルム、米国で130億円設備投資
富士フイルムは14日、遺伝子治療薬の開発・製造受託を行うFUJIFILM Diosynth Biotechnologies(以下:FDB)の米国テキサス拠点に、遺伝子治療薬のプロセス開発棟の新設と生産設備の増設を行うと発表した。
今回、総額約130億円の設備投資を行い、生産プロセス開発から製造まで一貫して受託できる体制を構築する。まず、生産プロセス開発のために、同拠点に延床面積約6,000㎡の新棟を建設し、培養・精製・分析装置を導入。FDBが保有する細胞や遺伝子、オリジナル培地などを用いて、最適な生産プロセスを迅速に開発・提供する。
さらに、生産能力増強に向けて、既存製造棟にクリーンルームを増設し、機動性に優れるシングルユース仕様の500/2,000リットルの細胞培養タンク計8基を設置。治験薬製造から商業生産に対応できる製造ラインを整備し、顧客の幅広い受託ニーズに応える。
遺伝子治療薬は、疾患の原因となる欠陥遺伝子を持った患者に、ウイルスを利用して外部から正常な遺伝子を導入することで疾患を治療するバイオ医薬品。現在、世界で製造販売承認を取得している遺伝子治療薬は10種類で、その市場規模は約700億円だが、疾患を根本的に治療できる可能性が高いことから研究開発が活発化しており、2025年には4兆円まで急速に拡大すると予測されている。
■ 設備投資概要
会社名:FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texas, LLC
所在地:米国テキサス州カレッジステーション市
投資額:約130億円
◇ プロセス開発棟
延床面積:約6,000㎡
導入機器:培養・精製・分析装置など
着工予定:2019年12月
稼働開始予定:2021年秋
◇ 既存製造棟
生産設備:クリーンルーム
:シングルユース仕様500/2000リットルの細胞培養タンク計8基など
着工予定:2019年12月
稼働開始予定:2021年春以降、順次