富士フイルム、デンマーク拠点に1000億投資
富士フイルムは9日、バイオ医薬品CDMOの中核会社であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies(以下:FDB)のデンマーク拠点でバイオ医薬品製造設備を増強すると発表した。
今回、受注拡大や今後も高まる受託ニーズに対応するため、デンマーク拠点に約1,000億円を投じてバイオ医薬品の製造設備を大幅に増強する。
まず、デンマーク拠点の原薬の生産能力を倍増するため、原薬製造ラインを拡張し、既存の動物細胞培養タンクと同サイズのタンクを6基増設する。これにより、デンマーク拠点は20,000リットル動物細胞培養タンクを12基保有し、CDMO業界やバイオ医薬品業界でも数少ない大規模な原薬製造拠点となる。
また、新棟を建設し、デンマーク拠点で初めて製剤化に対応した大型製剤製造ラインを新設。年間約3,500万本の充填ができる最新鋭の全自動型製剤製造システムの採用により、大量受託を可能とする。
さらに、包装ラインには、薬液が充填されたシリンジ(注射器)を多品種のオートインジェクターへ組立可能な装置や汎用性の高い自動ラベル貼付・梱包設備などを導入し、幅広い顧客ニーズに対応する。
今回の設備投資で、バイオ医薬品の原薬から製剤・包装までワンサイト・ワンストップで大量生産できる体制をデンマーク拠点で構築する。
■ 設備投資概要
名称:FUJIFILM Diosynth Biotechnologies
所在地:デンマーク・ヒルロッド市
投資額:約1,000億円
【原薬製造ライン】
・既存建屋の増床
・20,000リットル動物細胞培養タンク(6基)などの導入
【製剤製造ライン】
・新棟の建設
・全自動型製剤製造システムの導入
【包装ライン】
多品種のシリンジ用デバイスの組立が可能な機器や自動ラベル貼付・梱包装置などの導入
着工:2020年6月
稼働開始予定:原薬製造ライン 2023年秋
:製剤製造ライン 2023年夏
:包装ライン 2022年春