日本触媒、千葉にイオネル製造設備建設
2020年10月6日
日本触媒は1日、リチウムイオン電池用の新規電解質「イオネル〈LiFSI〉」の新規製造設備を日触テクノファインケミカル敷地内に建設すると発表した。
商業生産は2023年春を目途に開始する予定で、2024年には100億円超の売上高を目指す。LiFSI市場は世界的に拡大することが想定され、2025年以降の需要に対応する為、欧州での新規設備投資計画も検討している。
近年、環境問題への意識の高まりから、省エネ・低公害の次世代自動車の代表的存在である電気自動車(EV)に対する期待は高く、EV市場は着実に拡大している。
イオネルをEV向けリチウムイオン電池の電解質に使用することで、低温から高温まで広い温度範囲で、電池のサイクル特性、レート特性、保存安定性の向上に寄与することから、電解質の添加剤用に限らず主剤として採用され、イオネルの需要がアジアを中心に拡大している。
さらにイオネルは、全固体電池などの次世代革新電池の電解質としても性能向上に効果を発揮することから、需要のさらなる拡大が期待されている。
今回、既存設備の年産300トンでは不足するため、独自プロセスによる年産2千トンの新規製造設備を建設する。同社は2020年10月1日付で「イオネル建設チーム」を設置し、設備設計に入っている。
■ 設備投資概要
所在地:千葉県市川市高谷新町9番地1(日触テクノファインケミカル)
生産品目:リチウムイオン電池用新規電解質「イオネル」の製造
生産能力:2千トン/年(既存:300トン/年)
売上計画:100億円超(2024年)
商業生産予定:2023年春