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宇部興産、宇部ケミカル工場内に工場増設

2020年12月7日

 宇部興産は2日、山口県宇部市の宇部ケミカル工場内に工場を増設すると発表した。

 今回、液晶テレビ向け回路基板やスマートフォン向け有機ELディスプレイ、ハイブリッド車や電気自動車等の電装品市場拡大に対応するため、ポリイミド原料モノマー(BPDA:ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)を増産する。生産能力は現状の60%増となり、2023年度下期の稼働開始を予定する。

 今回の設備投資により、昨年度に実施したポリイミドフィルム「ユーピレックス」やポリイミドワニス「ユピア」の設備再稼働・増産に加え、ポリイミド原料の外販市場への供給量拡大も図る。

 ポリイミドフィルム・ワニスは、電子情報関連機器の回路基板材料などに使用されており、スマートフォン、パソコン、デジタル家電などの市場拡大や高機能化に伴い、今後も需要拡大が見込まれている。宇部興産のポリイミドフィルムはLCD(液晶ディスプレイ)やOLED(有機EL)ディスプレイ分野向けを主体としたCOF(チップ・オン・フィルム)用途で、ポリイミドワニスはOLEDディスプレイ用途で、それぞれ高い市場シェアを獲得している。

 また、FPC(フレキシブル・プリント回路板)用途においても販売量の増加が続いている。需要好調に伴い、昨年度には休止中であった堺工場(大阪府堺市)のポリイミドフィルム製造ラインを再稼働させるとともに、宇部ケミカル工場のポリイミドワニス工場の生産能力も増強。また、これに伴いBPDA工場のデボトル増産工事も併せて実施しているが、今後更なる需要拡大が見込めることから、原料であるBPDAについても積極的な生産能力増強と安定供給体制の確保が必要であると判断した。

■ 増設概要

所在地:山口県宇部市大字小串1978-10(宇部ケミカル工場)
増産品目:ポリイミド原料モノマー(BPDA:ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)
生産能力:現状の60%増
稼働開始予定:2023年度下期

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