大日本印刷、鶴瀬工場内に新工場
大日本印刷は2月26日、埼玉県入間郡の鶴瀬工場内に、リチウムイオン電池の外装材であるバッテリーパウチを生産する工場を新設すると発表した。
近年、地球温暖化対策を強化する世界的な動向のなかで、国内や欧州、中国などの各国はグリーンリカバリー政策を打ち出し、EVなどの電動車の開発・導入を進めている。リチウムイオン電池用バッテリーパウチは、軽量と薄型を実現するためスマートフォンやタブレット端末等の情報機器で利用が広がってきたが、電動車の導入拡大に伴って、大型サイズの需要が急激に拡大している。
DNPは、長年培ってきた印刷技術のひとつであるコンバーティング技術(材料加工技術)を活かし、リチウムイオン電池の外装材であるバッテリーパウチを開発して1990年代後半に実用化に成功した。現在、国内外の電池メーカーに提供しており、世界トップのシェアを獲得している。
DNPはこれまで、福岡県北九州市の戸畑工場で同製品を製造してきたが、市場の拡大に対応するとともに、BCM(事業継続マネジメント)の強化の観点からも、今回、新たな生産拠点を埼玉県の鶴瀬工場内に開設する。
また、2022年にも同工場内に設備を増設して生産能力の増強を進める。鶴瀬工場は自動車用内装材などの部材も生産しており、今後、モビリティ関連事業の中核的な生産拠点として整備していく。
今後、生産能力の増強により、リチウムイオン電池用バッテリーパウチで、2024年度に年間1,000億円の売上げを見込んでいる。
■ 新工場概要
所在地:埼玉県入間郡三芳町竹間沢311(鶴瀬工場)
敷地面積:約5,000㎡
延床面積:約17,000㎡
事業内容:リチウムイオン電池用バッテリーパウチの製造
稼働開始予定:2021年6月