富士フイルム、オランダで培地の新工場が稼働開始
富士フイルムは8日、バイオ医薬品の需要増などに対応するため、細胞培養に必要な培地の新工場を稼働させると発表した。
培地は、細胞の生育・増殖のための栄養分を含む液状や粉末状の物質で、バイオ医薬品や再生医療製品などの研究開発・製造における細胞培養に必要不可欠なもの。現在、抗体医薬品・ワクチンなどのバイオ医薬品の需要増や、細胞を用いた治療法の拡大に伴い、培地市場は年率10%以上の成長が見込まれている。
今回稼働させる新工場は、日本・米国の生産拠点と同様、cGMPに準拠した、培地の最新鋭工場。新工場は、動物由来成分を含まないカスタム培地など高品質・高機能な培地を生産することが可能。北米に次ぐバイオ医薬品製造企業の集積地である欧州の培地需要に対応する。
さらに、培地だけでなく、バッファーや滅菌注射用水も生産し、顧客の創薬・医薬品製造に必要な製品の充実と迅速提供を図る。
新工場を稼働させる欧州拠点は、再生可能エネルギーの1つである風力発電由来の電力により、使用電力のすべてを賄っている。
また、蒸気生成のために一部用いる天然ガスの使用削減に向けて、新工場では風力発電由来の電力で加熱し蒸気を生成する電気ボイラーを導入予定。既存工場でも削減施策を実施し、カーボンニュートラルの実現を目指す。
■ 新工場概要
所在地:FUJIFILM Manufacturing Europe B.V.
(Industrieterrein Vossenberg, Oudenstaart 1, 5047 TK Tilburg, The Netherlands)
総投資額:約30億円
延床面積:13,500㎡
生産品目:バイオ医薬品や再生医療製品の研究開発・製造用途の培地など
生産能力:粉体培地:約320,000kg/年
:液体培地:約470,000ℓ/年
稼働開始:2021年12月8日