昭和電工ガスプロダクツ、川崎工場で液化炭酸ガス設備増強
昭和電工は19日、子会社の昭和電工ガスプロダクツが、川崎工場の液化炭酸ガスおよびドライアイス(以下:炭酸製品)の生産能力と貯蔵能力を増強すると発表した。
炭酸製品は、食品の加工・包装用や飲料用などに加え、食品や医薬品の低温輸送・保管用途、半導体や液晶等の電子部品洗浄をはじめとする工業用途など幅広い分野で使用されており、需要は堅調に推移している。
一方で炭酸製品の原料に使用できる炭酸ガスは、石油精製やアンモニアなどの化学製品の製造時に発生する濃度や純度の高いものに限られるが、近年、日本国内では製油所の統廃合や閉鎖、アンモニア製造拠点の減少等により原料用炭酸ガスの供給減少が継続している。
この原料不足が炭酸製品の生産に影響を及ぼし、日本国内での需給の恒常的なひっ迫につながっている。そのため原料用炭酸ガスの安定的な確保は炭酸製品の安定生産・安定供給に向けた重要な課題となっている。
昭和電工ガスプロダクツ川崎工場では、炭酸製品の原料に昭和電工川崎事業所で行っている使用済みプラスチックのケミカルリサイクル事業においてプラスチックから水素を取り出す際に発生する炭酸ガスを利用している。
リサイクル需要の高まりによりケミカルリサイクル事業は今後も安定して高い稼働率を維持する見込みであることから、今後の炭酸ガスの安定供給源として活用し、液化炭酸ガス生産設備の新設と貯槽タンクの増設により安定供給体制を強化する。
■ 設備投資概要
所在地:神奈川県川崎市川崎区扇町7-1(川崎工場)
投資総額:約30億円
生産品目:液化炭酸ガスおよびドライアイス
生産能力:約30,000t/年(液化炭酸ガス)
貯蔵能力:約2,000t増加
着工予定:2022年4月
稼働開始予定:2023年末