イリソ電子工業は2日、秋田県横手市の横手第二工業団地内に工場建設用地を取得すると発表した。

　同社は、車載機器、民生機器、産業機器に使用されるコネクタを日本（茨城県常陸大宮市）、中国（上海市、南通市）、ベトナム（ハイズオン省）、フィリピン（カヴィテ州）に所在する5つの自社工場で生産し、グローバル規模で製品・サービスを提供している。

　同社の日本生産拠点としては、茨城県常陸大宮市に1983年に設立し、現在、売上高に対して約15%を占める生産能力を保有しているが、今後のEV、HV等の環境対応車（NEV車）向け車載機器を中心とした需要の拡大、「マルチ生産体制」によるBCPやマーケット・インによる物流費の低減と生産効率向上を見据えて、秋田県横手市に新工場を建設する。

　欧米向けの生産拠点として予定していたメキシコ工場建設計画については、アメリカ－メキシコ間情勢を背景に2017年から休止している。今後、北米自由貿易協定（NAFTA）や車載市場と顧客の需要動向を勘案し、最適な生産拠点の決定と建設を、日本国内新工場建設と並行して検討している。

　新工場では、一層のスマートファクトリー化（ロボット生産化、搬送の無人化、システム化等）を進め、コスト競争力の強化に取り組む。