アサヒビール、鳥栖市に新九州工場計画
アサヒビールは23日、博多工場(福岡県福岡市)の移転先として佐賀県鳥栖市に新九州工場を建設すると発表した。
新工場は、アサヒグループの次世代生産体制のモデル工場として、製造方法の刷新などによりエネルギー使用量を従来比で50%削減し、使用するエネルギーの再生可能エネルギー化も推進する。
さらにCO2回収技術の導入などにより、CO2吸収量が排出量を上回る「カーボンネガティブ」の早期実現を目指す。また、ビール類・ノンアルコールビールテイスト飲料・RTD・アサヒ飲料商品などグループの多様な商品や容器の製造を行い、物流面での効率化と工場の操業度の向上を図る。
今回の移転に伴い、九州エリアへ出荷する大部分の商品が新工場で製造・出荷が可能となる。九州エリア内の需給率向上と配送距離短縮により、物流におけるCO2排出量は従来より30%削減となる見込み。
候補地は、品質を担保したビール類や飲料などの生産能力を十分に確保できることや天災などの不測の事態に備えた事業継続計画(BCP)の観点で検討した。佐賀県鳥栖市は、九州全域への効率的な供給や十分な水量を確保できる立地であり、敷地面積を含めて最も条件に合致したため選定した。敷地面積は現在の博多工場と比較して2倍以上となり、想定年間生産量は1.3倍となる。
今後、土地売買契約に係る市議会の議決を経て、正式に決定する予定。博多工場の操業は2025年末をめどに終了し、2026年から新九州工場(仮称)として操業を開始する。博多工場跡地の活用については現時点で未定だとしている。
■ 新工場概要
名称:新九州工場(仮称)
所在地:佐賀県鳥栖市
生産品目:ビール類や飲料など
生産能力:博多工場比 1.3倍/年(想定生産量)
操業開始予定:2026年
◇ 博多工場
所在地:福岡県福岡市博多区竹下3-1-1
跡地活用:未定
閉鎖予定:2025年末