三洋化成工業、鹿島工場で設備投資
2022年8月18日
三洋化成工業は17日、鹿島工場で炭素繊維用集束剤「ケミチレン」の生産能力を増強すると発表した。
「ケミチレン」は、繊維を束ねて扱いやすくする「集束性」と加工時に薄く広がりやすくする「開繊性」のバランスに優れた集束剤。「ケミチレン」で処理した炭素繊維は毛羽の発生が少なく、扱いやすいことが特徴で、損傷の少ない炭素繊維を均質にプラスチック中に配列させることができるため、高強度で表面平滑性に優れる炭素繊維複合材料が得られる。
炭素繊維の主用途の1つである風力発電用ブレードは、再生可能エネルギーの広がりで需要が急伸している。引き続き風力発電の増加やブレードの大型化が進むとともに、炭素繊維需要の拡大が見込まれている。
また、炭素繊維は、燃料電池用のタンク、ドローン、自動車用途などの用途開発が進んでおり、今後、これら産業用途でも需要拡大が見込まれる。
今回の生産能力増強により、「ケミチレン」の安定供給を確保し、世界的な需要拡大に対応するとともに、引き続き成長が見込まれる本市場に対応するため、さらなる能力増強についても引き続き検討していく。
■ 設備投資概要
所在地:茨城県神栖市砂山11-1(鹿島工場)
投資額:約7億円
生産品目:炭素繊維用集束剤「ケミチレン」
生産能力:5割程度増
稼働開始予定:2024年5月