富士フイルム、熊本県菊陽町で半導体材料の生産設備増強
富士フイルムは8日、中核会社である富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(以下:FFEM)が、同社生産子会社の富士フイルム九州に、半導体製造プロセスの基幹材料であるCMPスラリーを生産する最新設備を導入すると発表した。
AI/IoTや5Gの進展、自動運転の普及・拡大などにより、半導体の需要拡大と高性能化が見込まれている。こうした中、半導体製造プロセスで使用する半導体材料では、より高品質・高性能な製品を安定供給することが重要となっている。
CMPスラリーは、硬さの異なる配線や絶縁膜が混在する半導体表面を均一に平坦化する研磨剤で、その市場は年率10%成長が見込まれている。同社は、米国・台湾・韓国にCMPスラリーの生産拠点を有し、同製品の市場伸長を大きく上回る売上成長を達成している。
今回、CMPスラリーの国内生産化と生産能力増強に向けて、設備投資を行う。FFEMが、ディスプレイ材料の主要生産拠点である富士フイルム九州の工場内に、CMPスラリーの生産設備や品質評価機器を導入。新たな設備・機器と、ディスプレイ材料で高い技術を持つ富士フイルム九州の人材・生産ノウハウなどを組み合わせて、高品質・高性能なCMPスラリーを生産する。
今後、世界4拠点の生産体制の下、CMPスラリーの安定・迅速供給を実現することで、さらなるビジネス拡大を図る。また、研磨後の不純物を取り除くポストCMPクリーナーを有する強みを生かしたトータルソリューション提案も計画している。
■ 設備投資概要
所在地:熊本県菊池郡菊陽町津久礼2900(富士フイルム九州の工場内)
総投資額:約20億円
投資内容:CMPスラリーの生産設備・品質評価機器など
着工予定:2023年4月
稼働開始予定:2024年1月