旭化成、倉敷市の下水処理場にバイオガス精製システム
2022年9月21日
旭化成は15日、岡山県倉敷市とバイオガス精製システムの性能評価・実証を行う契約を締結したと発表した。
バイオガスは下水汚泥や生ごみなどから発生するメタンを約60%、CO2を約40%含んだガスであり、例えば欧米ではバイオメタンは天然ガスの代替として、またカーボンニュートラルな燃料として注目され、急速に需要が拡大している。
倉敷市では、児島下水処理場で下水汚泥から発生したバイオガスを用いて発電している。このバイオガスの一部をシステムに取り入れ、バイオメタンを精製する。
分離回収したCO2をCCU(二酸化炭素回収・有効利用)やCCS(二酸化炭素回収・貯留)に回せればカーボンネガティブを実現できる。実証では、バイオガスを無駄にしないため、分離したCO2と混合して元の状態に戻し、発電燃料として使用する。
実証後、バイオガス精製を手掛ける国や地域での実証を経て2025~2026年頃の上市を計画している。また、バイオガス精製に限らず、他のガスでのCO2分離回収への展開も図っていく。
■ 設備概要
所在地:岡山県倉敷市児島小川町3695(児島下水処理場)
事業内容:バイオメタンの精製
機器製作開始:2022年11月
設置工事開始予定:2023年5月
運転開始予定:2023年末
◇役割
旭化成:本実証の設備設計、設置、運転、性能評価と実証
倉敷市:下水汚泥発酵により発生したバイオガスおよび試験用地の提供