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荒川化学工業、ドイツで水素化石油樹脂の製造終了

2022年9月29日

 荒川化学工業は27日、連結子会社の荒川ヨーロッパ社における水素化石油樹脂「アルコン」の製造を終了すると発表した。

 欧州における天然ガスと水素価格の歴史的高騰や原材料事情の悪化により、水素化石油樹脂の製造コストは著しく上昇している。また、ウクライナ情勢の長期化などによる欧州でのエネルギー事情を鑑みると、今後も現在の状況が改善する可能性は低いと判断し、荒川ヨーロッパ社における水素化石油樹脂の製造を2023年3月に終了する。

 荒川化学工業は、2010年にダウ・ケミカル社からドイツのコンビナート内に設置した水素化石油樹脂の一貫製造設備を譲り受け、「アルコン」製造を日本とドイツの2拠点体制とした。さらに、2018年にはコスモエネルギーホールディングスと丸善石油化学の3社で千葉アルコン製造を設立し、今後も世界的に需要が増加すると見込まれる紙おむつなどの衛生材料向けホットメルト接着剤用途への対応も可能とするため、グローバル3拠点体制での水素化石油樹脂事業の拡大を目指していた。

 荒川ヨーロッパ社での製造終了後は、水島工場と千葉アルコン製造(稼働準備中)の2拠点からの供給体制とし、グローバル販売戦略を再構築することにより、水素化石油樹脂の安定供給と収益性の向上を図る。荒川ヨーロッパ社は欧州を中心とした販売拠点としての事業活動は継続する予定。

■ 荒川ヨーロッパ社概要

名称:ARAKAWA Europe GmbH
所在地:Hafenstr. 2, 04442 Zwenkau, GERMANY
設立:1998年11月9日
資本金:52000ユーロ
決算期:12月
出資比率:荒川化学工業(株)100%
事業概要:水素化石油樹脂の製造と販売
生産能力:約20千トン/年
生産終了予定:2023年3月

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