東レ、岐阜工場に80億円投資/2025年稼働
東レは7日、岐阜工場(岐阜県神戸町)でMLCC(積層セラミックコンデンサー)離型用ポリエステルフィルムを増産すると発表した。
今回、MLCC製造時の工程離型用ポリエステルフィルム「ルミラー」の生産能力を増強する。岐阜工場の生産設備を改造し、生産能力を現行比1.6倍にする。設備投資額は80億円。2025年の稼働開始を予定している。
MLCCは、セラミックスの誘電体と金属電極を多層化したチップ型コンデンサで、通信機器、家電、自動車用など、電気で駆動するすべての機器に搭載されている。今後、通信分野での5G/6Gへの高度化や、電動化車両(xEV)の普及拡大に伴う搭載個数の増加により、年率10%以上の成長が見込まれている。
現在東レグループでは、MLCC離型用フィルムを三島・岐阜工場、マレーシア・PenfibreSdn.Berhad、韓国・Toray Advanced Materials KoreaInc.の3カ国4拠点で生産し、世界ナンバーワンのシェアを占めている。今後のMLCC市場の拡大にいち早く対応するため、離型用フィルムの最大消費地である日本でのフィルム生産能力増強を決定した。
新ラインは、MLCC離型用フィルムの生産能力としては国内最大級であり、東レの既設ラインの品質高度化ノウハウを反映させ、将来の薄膜化、高平滑化などの市場要求を満たせる仕様とした。また、現在取り組みを進めている使用済みフィルムを回収・再利用する循環型リサイクルへの対応も想定している。
■ 設備投資概要
所在地:岐阜県安八郡神戸町安次900-1(岐阜工場)
設備投資額:80億円
生産品目:MLCC離型用フィルム「ルミラー」
生産能力:現行比1.6倍
稼働開始予定:2025年