東洋紡、敦賀事業所の新ラインが稼働
東洋紡は20日、敦賀事業所(福井県敦賀市)に、積層セラミックコンデンサ(以下:セラコン)用離型フィルムのコーティング加工設備の新ライン(2号機)を増設し、量産を開始したと発表した。
セラコンは、電流を調整したり、電気を一時的に蓄積する汎用的な電子部品として、さまざまな電子回路に搭載されている。データ通信の高速化やDX、自動車の電装・電動化や自動運転化の進展を背景に搭載点数が増加するなど需要の拡大が続いており、今後も年率7%以上での市場の成長が見込まれている。
セラコンの製造工程に不可欠な離型フィルムを生産する同社では、2020年6月より、敦賀事業所「つるがフイルム工場コーター棟」で、離型層のコーティング加工設備1号機の本格稼働を開始した。
今後さらなるセラコン需要の拡大が見込まれるなか、顧客への供給体制をより強化するため、新たに加工設備2号機を増設し、今月から量産を開始。1号機と合わせて、生産能力を従来の約2倍に高めた。
また、新ラインの稼働を機に、使用済みの離型フィルムを原料として再利用する取り組みを加速する。同社の長期ビジョン「サステナブル・ビジョン2030」で掲げる、フィルムのグリーン化比率を2030年度に60%、2050年度には100%とする目標の達成に向け、リサイクル技術の開発・実用化を進める。
同社は今後も、セラコン用離型フィルムで、原反の製膜から離型層のコーティング加工まで一貫して行うことのできる国内唯一のメーカーとして、汎用品からハイエンド品まで、幅広いニーズに応えていく。
■ 設備投資概要
所在地:福井県敦賀市(敦賀事業所)
設備:積層セラミックコンデンサ用離型フィルムコーティング加工設備新ライン(2号機)
生産能力:従来の約2倍(1号機含む)
量産開始:2022年10月