東双みらい製造、廃炉関連製品の工場建設
東京電力ホールディングスと日立造船は20日、使用済燃料キャスク、デブリ収納容器など、廃炉関連製品を製造する新会社「東双みらい製造(東京電力HD:67%、日立造船:33%)」を設立し、新工場を建設すると発表した。
東京電力は、「復興と廃炉の両立」の実現に向け、これまで東京や海外に発注していた廃炉の中核技術・製品について、将来的には福島県浜通りで開発・製造し、地元経済の中長期的な柱とすることを目指すなど、浜通り地域への廃炉産業集積に向けて取り組んでいる。
日立造船は、1978年に使用済燃料の輸送キャスクを国内メーカーとして初めて製造して以来、数多くの輸送・貯蔵用キャスクの納入実績を有するとともに、米国の使用済燃料・高レベル放射性廃棄物の輸送・貯蔵容器に係る設計、輸送、コンサルティングを行うNAC International Inc.を子会社化するなど、国内外で使用済燃料等の輸送・貯蔵に係る技術・技能を蓄えている。
東双みらい製造では、こうした両社の知見を活用し、廃炉産業集積の一環として、2025年度中の操業開始を目指して浜通りに廃炉関連製品の工場を建設する。新工場では、使用済燃料キャスクを製造するとともに、将来的には、燃料デブリ保管容器の製造を予定するなど、安全かつ着実に廃炉を進めることへ貢献する。また、これまで県外で製造してきた高機能製品を、中長期的に浜通りで生産することで、地元福島の復興に貢献する。
今後、東京電力と日立造船は、東双みらい製造を通じて、ユーザー企業とベンダー企業との共創により製造プロセスの効率化を目指すとともに、廃炉関連製品工場を軸にしながら地元企業とも密接に連携し、浜通りの経済、雇用、人材育成等に貢献するとしている。
■ 新工場概要
所在地:福島県双葉郡楢葉町
従業員数:数十名の予定(設立時約10名)
事業内容:輸送・貯蔵兼用キャスクや燃料デブリ保管容器の製造、販売
※当面は福島第二原子力発電所向け使用済燃料キャスクを製造
稼働開始予定:2025年度中