日本製紙、富士工場で紙容器リサイクル設備が稼働
2022年11月1日
日本製紙は10月28日、富士工場内で、紙コップや紙パック等の食品・飲料用紙容器リサイクル設備の稼働を開始すると発表した。
使用済みの紙容器は、紙にプラスチックを貼り合わせた複合材料からパルプを取り出す方法や、パルプを取り出した後に残るプラスチックの処置などの技術的観点、その容器の食品残渣物の汚れなどの衛生上の観点などからリサイクルに不適とされ、その大半が一般ごみとして焼却されているのが実情。しかし、昨今の食品・飲料用紙容器のリサイクルに対する市場ニーズに対応するため、2021年9月から同設備の導入を進めている。
同社は草加工場と足利工場で、主に段ボール原紙の原料用途で、使用済みの紙容器リサイクルに取り組んできた。富士工場に設置した新設備では、高品質・高白色のパルプを生産することが可能となる。この特性を活かし、今後は紙・板紙・家庭紙など幅広い分野で製紙原料としての利用を目指す。
使用済み紙容器の回収スキームの構築にあたっては、使用済み紙容器のリサイクルに関する消費者への告知・啓発活動や、回収拠点と洗浄拠点の確保が不可欠なことから、リサイクルチェーンを構築するビジネスパートナーとの協働が重要となる。
同社はこれまでも、浜松グリーンウェーブ(株)、特定非営利活動法人エコライフはままつと協力した浜松市での使用済み食品用紙容器の自主回収実証実験を皮切りに、様々なパートナーと協働して消費者への告知、啓発、回収実験を行っている。今回の設備稼働を機に、こうした活動をより活発に進めていくとしている。
■ 設備投資概要
所在地:静岡県富士市(富士工場)
設備:食品・飲料用紙容器リサイクル設備
稼働開始:2022年10月28日