協和発酵バイオ、タイでオリゴ糖製造工場が稼働
キリンホールディングスは25日、子会社の協和発酵バイオがタイ現地法人THAI KYOWA BIOTECHNOLOGIES CO., LTD.でHMO (Human Milk Oligosaccharide:ヒトミルクオリゴ糖)生産設備を完成させたと発表した。
HMOは母乳に含まれるオリゴ糖の総称。母乳に含まれる固形成分の中で、ラクトース、脂質に次ぐ、三番目に多い成分で、これまでに200種類以上のHMOが母乳から発見されている。牛乳や他哺乳類由来の乳にはほとんど含まれず、特にヒトの初乳に多く含まれることから、乳幼児にとって重要な成分であることが知られている。
HMO入り粉ミルク市場は欧米で継続的に伸長しているだけでなく、人口増加が見込まれる中国・東南アジア地域でも消費拡大が期待されており、今後の年平均成長率は20%~30%程度と予測されている。
協和発酵バイオは、2000年に世界で初めて工業レベルで大量生産が可能なHMO生産システムを構築した。今回、消費拡大が見込まれるアジアへの展開と、優秀な人材やHMOの生産に必要な原材料が確保できる利点を踏まえ、キリングループのエンジニアリング部門の知見と技術を集約させてTHAI KYOWA生産設備を建設した。HMOの製造は今年から開始し、2023年から粉ミルクメーカーなどへの販売を始めるとともに、キリングループ内での商品開発も行い、HMOのニーズが高い世界各国への展開を目指す。
■ 設備投資概要
所在地:タイ(THAI KYOWA BIOTECHNOLOGIES CO., LTD.)
設備:HMO生産設備(培養・精製・充填工程)
生産品目:HMO 3品目(2FL、3SL、6SL)
:2FL:2’-フコシラクトース、3SL:3’-シアリルラクトース、6SL:6’-シアリルラクトース
製造能力:約300トン/年
建設開始:2020年11月
商業生産開始:2022年11月