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昭和電工、川崎事業所でLIB用導電助剤の増産

2022年12月22日

 昭和電工は21日、川崎事業所でリチウムイオン電池(LIB)向け正負極用導電助剤「VGCF(気相法炭素繊維)」の生産能力を増強すると発表した。

 需要拡大が続くLIB市場で、特に電動車用LIBの需要が急速に拡大している。そのLIBに欠かせないVGCFは、欧州自動車メーカー向けを中心に需要が拡大しており、こうした状況に対応する。

 稼働開始は2023年10月の予定。今回の能力増強により、川崎事業所の生産能力は年産300トンから33%増の年産400トンになる。

 LIBは充放電を繰り返すことで徐々にリチウムイオンの行き来が難しくなる性質があり、これにより充電量が低下するなど性能が劣化する。しかし、繊維状のVGCFを使うとリチウムイオンの行き来が保たれ、電池の劣化を抑制できる。

 VGCFは、分散性が高い繊維のため、少量を添加するだけでLIBの高容量化、長寿命化を可能にする。また、熱伝導性も高いため、電極からの放熱を促進し、LIBの熱マネジメントに貢献する。この結果、VGCFを使うことで電池の寿命が延び、ライフサイクル全体でCO2排出量の削減が期待できるという。

■ 設備投資概要

所在地:神奈川県川崎市川崎区扇町5(川崎事業所)
事業内容:LIB向け正負極用導電助剤「VGCF」の製造
生産能力:400トン/年(33%増)
稼働開始予定:2023年10月

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