住友重機械工業、広島ガス廿日市工場に新プラント建設
住友重機械工業と広島ガスは18日、2社間でパートナーを組み、広島ガスの廿日市工場内にLAES商用実証プラントを建設すると発表した。
同設備は、住友重機械工業が2020年2月にエネルギー貯蔵技術の取得を目的に出資した英国のハイビューエンタープライズリミテッド社が先導する液化空気エネルギー貯蔵(Liquid Air Energy Storage、以下:LAES)技術を活用した日本国内初の商用実証プラント。
LAESとは、液体空気の形で電力エネルギーを貯蔵し、必要な時に取り出す技術。LAESシステムでは、電力を利用し圧縮・冷却して液化した空気をタンクに貯蔵、必要に応じて再気化させ、膨張エネルギーを利用してタービン発電機により電力を供給する。今回の取り組みでは、空気を液化する際の冷却プロセスに、廿日市工場のLNG(液化天然ガス)の冷熱を活用することにより、充電効率を向上させるという。
設備オーナーは住友重機械工業で、国内では送配電会社との個別契約に加え、卸電力市場、需給調整市場に加え、容量市場での電力市場で運用してLAESの活用を実施する。
商用実証の目的としては、設計・建設における法令・規格への対応、日本の系統運営や電力需給市場への対応と合理化、未利用冷熱の相互利用による効率改善・省エネ効果検証だとしている。
■ 設備投資概要
建設予定地:広島県廿日市市木材港南12番20号(広島ガス 廿日市工場内)
LAESシステム:クライオバッテリー
容量:4.99MW x 4時間貯蔵 (充電4MW)
電力市場:卸電力市場 2MW (最低負荷想定)
:需給調整市場 3MW
:容量市場 4.99MW
運転開始予定:2024年