日本製紙、ハンガリーにLiB用CMCの新工場建設
2023年2月9日
日本製紙は6日、ハンガリーに製造販売子会社を設立し、LiB用CMCを製造する新工場を建設すると発表した。
EV車載用のLiB市場は、脱炭素社会を目指したCO2の排出規制が進む欧州で急速に拡大している。また欧州の自動車産業は域内でのサプライチェーン構築を掲げ、中国、韓国などの自動車部品・LiBメーカーも欧州域内での工場建設計画を相次いで発表している。
こうした状況に対応し、同社は2021年に江津工場のLiB用CMCの生産体制を強化したが、今回新たにハンガリーに新工場を建設する。稼働は2024年12月を予定し、売上高約5000万ユーロ、約60名の雇用創出を計画している。
CMCは、天然セルロースを高純度に精製したパルプを原料として得られるアニオン系水溶性高分子で、環境に優しい素材。その優れた増粘性・吸収性・保水性から、食品・歯磨きペーストなどの日用品、製紙などの工業用途で広範囲に使用されてきたが、近年ではLiB用途も大きく伸長している。
同社の開発品であるLiB用CMC(SUNROSE MAC)は、LiB負極材料(グラファイト)塗工液の高機能性添加剤として使用され、均一な塗工膜の形成が可能になり安全性に優れる点から、スマートフォン・PCなどの民生用、再生可能エネルギー蓄電用に加え、EV車載用途でも国内外のLiBメーカーから高く評価されているという。
■ 新工場概要
所在地:ハンガリー・ブダペスト市
事業内容:LiB用CMC(SUNROSE MAC)の製造
売上計画:約5000万ユーロ
雇用計画:約60名
稼働開始予定:2024年12月