東邦チタニウム、福岡県若松工場に94億円投資/ニッケル粉増産
2023年2月10日
東邦チタニウムは9日、若松工場(福岡県北九州市)にニッケル粉の新工場を建設し生産能力を増強すると発表した。
ニッケル粉は、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の内部電極として使用される。MLCCは電気・電子製品等における「電源供給の補助・安定化」「ノイズの抑制」等の役割を果たし、スマートフォン、タブレット、PC等の電子機器のほか、各種自動車電装部品に搭載されている。
足元、スマートフォン向けの販売低迷等によりMLCC需要は調整局面となっているが、通信機器の高機能化、自動車のEV化や自動運転化、第6世代移動通信システム(6G)の実用化等により、市場は今後大きく成長していくと想定されている。
同社は、2017年12月と2021年4月、若松工場にニッケル粉工場を建設し生産能力の増強を行っている。今後も更なる需要の拡大が見込まれることから、小型・大容量のMLCCに対応できるニッケル粉の供給体制を強化するため、新工場を建設する。
■ 新工場概要
所在地:福岡県北九州市若松区響町1丁目62−1(若松工場)
投資額:約94億円
生産品目:ニッケル粉
生産能力:既存生産能力に対して約20%増
(新工場は今後更に生産設備を追加できる建屋、インフラ設備を含んでおり、追加した場合は、既存生産能力に対して約40%増となる)
完工・営業運転開始予定:2025年度