太陽ファルマテック、高槻工場に遺伝子治療用製品製造施設
太陽ホールディングスは8日、子会社で医薬品製造受託事業を担う太陽ファルマテックが高槻工場内に遺伝子治療用製品製造施設を竣工したと発表した。
今後、新施設でAAV(アデノ随伴ウイルス)をはじめとしたウイルスベクター製品、その他遺伝子治療用製品の受託製造に対応していく。
施設は、国内GMP、PIC/S等海外GMPに準拠し、開発初期の小スケールでの試作製造から200Lスケールでの大量製造まで対応可能。遺伝子組換え微生物の拡散防止機能を持ちカルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律)に準拠する。
クリーンルームは、PIC/Sに準拠した無菌医薬品製造区域として室間差圧、清浄度等のグレード設計を行い、高度なDI(データインテグリティ)対応の環境モニタリングシステムを実装した。アップストリームからダウンストリームまでの一連のモジュールをつなぐプラットフォームであるCytiva社のFlexFactoryを採用し、顧客の相談開始から製造までのスピードアップ、少量多品種の製造に対応する。製剤化のバリアシステムに無菌アイソレータを採用、小スケールから無菌ろ過、無菌充填の対応が可能となった。
太陽ホールディングスグループは、グローバル化学企業への飛躍を目指し、エレクトロニクス事業だけではなく医療・医薬品事業でも積極的な事業展開を行っている。2019年10月には第一三共プロファーマ(株)の高槻工場を承継し、グループの一翼を担う企業として、太陽ファルマテックが医薬品製造受託事業を開始した。
2020年11月には新たな取り組みとして、日本発の遺伝子治療技術の研究開発と治療用製品の開発、製造などを行う(株)遺伝子治療研究所との間で、太陽ファルマテックでの遺伝子治療用製品製造に関する契約を締結し、技術提供を受け遺伝子治療用製品製造設備と製造体制の構築を進めてきた。新施設の稼働により、国内外における遺伝子治療用製品の開発と発展に製造面から貢献していく。
■ 新棟概要
所在地:大阪府高槻市明田町4-38(高槻工場)
事業内容:AAV(アデノ随伴ウイルス)をはじめとしたウイルスベクター製品、その他遺伝子治療用製品の受託製造
竣工:2023年3月7日