大同特殊鋼、知多第2工場に52億円投資
2023年3月22日
大同特殊鋼は20日、知多第2工場(愛知県知多市)特殊溶解設備の真空アーク再溶解炉(VAR)2基を増設すると発表した。
ニッケル基合金やクリーンステンレス鋼などの高級鋼は、真空誘導炉で溶解した鋼塊を特殊溶解設備で再溶解し、製品内部の清浄度や均質性を高めることで、部品の強度向上や耐用時間を伸ばすことが期待できるため、航空エンジンや半導体製造装置など、さまざまな厳しい使用環境に対応できる製品。カーボンニュートラルやデジタル社会の実現に貢献する製品であり、今後さらなる需要の高まりが予想されている。
同社はこれまで、世界最大級の25トン真空誘導炉(VIM)や真空アーク再溶解炉の増設を渋川工場で行い、高級鋼の生産能力拡大を進めてきた。今回の増設は、現時点の渋川工場には真空アーク再溶解炉の増設スペースを確保できないことから、スペースを十分に確保できる知多第2工場に決定した。
今回の増設で高級鋼の特殊溶解能力を拡大するだけでなく、高級鋼圧延製品の出荷工場である星崎工場(名古屋市南区)に近い工場から母材供給が可能になるため、圧延製品のリードタイム短縮も目指す。
■ 設備投資概要
所在地:愛知県知多市北浜町 11番20(知多第2工場)
投資額:52億円
事業内容:高級鋼の製造
設備:真空アーク再溶解炉(VAR)2基
稼働開始予定:2024年度末