武田薬品工業、大阪工場に新工場/1000億円投資
2023年3月24日
武田薬品工業は23日、大阪工場敷地内に新製造施設を建設するため、1,000億円規模の長期投資を行うと発表した。
今回、血漿分画製剤製造の全工程を完備する世界水準の施設を建設する。2030年頃の稼動を予定しており、類似の施設としては国内最大規模になる見込み。日本における血漿分画製剤の製造能力を約5倍に増強し、市場が伸長している日本国内で持続的な供給を行いながら、グローバルな製造ネットワークにおける製造能力の拡大に寄与することも目指す。
施設は、最先端の自動化とデジタル技術を実装し、血漿の分離、分画、精製、充填、包装、保管(倉庫)の一連の製造工程を完備した、グローバルでも最高の製造基準を有する施設として建設される。さらに、環境にやさしい設計を取り入れ、2035年までに自社の事業活動から排出する温室効果ガスをネットゼロにする目標の達成に貢献する施設を目指す。現在国内向けの血漿分画製剤を製造している成田工場は、維持管理に必要な投資を行いながら、新工場稼働を見据えて引き続き製造を行う。
血漿分画製剤は、希少疾患や複雑な慢性疾患を含む様々な疾患の治療に使用されており、過去20年間で大幅に需要が増加している。日本でも、診断率の向上や早期治療等により今後さらなる需要拡大が見込まれており、同社は今後5年以内に、国内で新規適応症と新しい血漿分画製剤を含む最大5つの承認取得を目指す予定。
■ 新工場概要
所在地:大阪府大阪市淀川区十三本町二丁目17番85号(大阪工場)
投資額:1,000億円規模
製造品目:血漿分画製剤
稼働開始予定:2030年頃