サイコックス、大口電子工場内に半導体基板製造ライン
2023年3月29日
住友金属鉱山の子会社で半導体基板を製造するサイコックス(東京都港区)は、同じく住友金属鉱山の子会社で貴金属回収リサイクルを手掛ける大口電子工場内に半導体基板の開発ラインを構築する。2月17日、伊佐市と立地協定を締結した。
今回、サイコックスが増設する工場は、需要拡大が期待される8インチ基板の開発を進めるため、大口電子の建物内に開発ラインを構築する。開発業務の一部については大口電子が受託する予定。
サイコックスが開発した貼り合せSiC(シリコンカーバイド)基板「SiCkrest」(サイクレスト)は、低抵抗多結晶SiCの支持基板の上に高品質な単結晶SiCを薄く貼り合せることによって、単結晶の特性を維持しつつ、基板全体の低抵抗化と高強度化を実現し、現在では6インチ基板の製造販売を行っている。
SiCの特徴として、従来のシリコンと比較して高電圧に対応可能で、エネルギー損失も大幅に低減できることから、電気自動車などの駆動制御装置で要求する大容量領域(大電流・高耐電圧)で、装置全体の小型化、航続距離向上も後押しできる優れた材料として、需要が拡大している。
■ 設備投資概要
工場名:サイコックス 大口工場
所在地:鹿児島県伊佐市大口牛尾1742番地2
用地面積:4,900㎡(大口電子(株)敷地内)
建物面積:6,300㎡
事業内容:8インチ貼り合せSiC基板の開発・製造
着工予定:2023年3月
完工予定:2024年3月