王子製紙、米子工場で木質由来エタノール・糖液の製造設備導入
2023年5月17日
王子ホールディングスは12日、王子製紙米子工場への、木質由来エタノール・糖液のパイロット製造設備導入を決定したと発表した。
同社は、社会の脱炭素化に貢献するため、森林経営によって得られる木材を活用し、木質由来の新素材の開発に注力している。特に、航空業界向けの持続可能な航空燃料(SAF)や、基礎化学品の製造に使用できる「木質由来エタノール」、バイオ製品の主要原料である「木質由来糖液」の需要が増加すると予想されている。
今回、パイロット製造設備を導入し、実用化を見据えたユーザーに対して、大量のエタノール・糖液提供を実施するとともに、継続した技術改良を行い、将来の事業化(2030年時目標:エタノールとして10万kL供給)に向けた取り組みを加速させる。
製紙工場内での設置により、既存のパルプ製造ラインが活用できることに加え、工程から副産物として得られる「リグニン」をバイオマスエネルギーとして利用可能。これにより、二酸化炭素発生量を抑えたエタノール製造、糖液製造も期待されている。
■ 設備投資概要
所在地:鳥取県米子市吉岡373(王子製紙 米子工場)
能力:木質由来エタノール 最大1,000kL/年(重量換算820t/年)
:木質由来糖液 最大3,000t/年(糖の乾燥重量として)
原料使用量:木材チップとして約6,000t/年
:木材パルプとして約3,000t/年
稼働時期:2024年度後半