富士フイルム、台湾に最先端半導体材料の新工場
富士フイルムは16日、電子材料事業を拡大するため、台湾に最先端半導体材料の工場を新設すると発表した。
今回、半導体材料の台湾現地法人であるFUJIFILM Electronic Materials Taiwan Co., Ltd.(以下:FETW)が、台湾新竹市に土地を取得し、CMPスラリーやフォトリソ周辺材料を生産する新工場を建設。2026年春に稼働させる予定。
また、台南市にある既存工場(台湾第3工場)でも設備増強を行う。建設中の新棟にCMPスラリーの製造設備などを導入し、2024年春に稼働させる計画。新工場の建設と既存工場への設備増強をあわせた設備投資額は約150億円で、約50名の新規雇用を計画している。
半導体は、5G/6Gによる通信の高速・大容量化、自動運転の拡大、メタバースの普及などを背景に、年率約10%の市場成長と高性能化の進展が見込まれている。現在、CMPスラリーの生産設備の導入(日本)やポリイミドの製造設備の増強(ベルギー)など国内外で積極的な設備増強を行い、半導体の需要増への対応を進めている。
新工場では、最新鋭の製造設備や品質評価機器を導入し、CMPスラリーやフォトリソ周辺材料の現地生産体制と技術サポート体制を強化。製品倉庫の設置に加え、太陽光発電パネルも導入する。また、近接する台湾第1・第2工場のオフィス機能を新工場に統合し、工場間の連携強化を図る。
今後台湾では、伸長が予想される半導体需要を先取りする投資で現地の生産・開発・品質保証体制をさらに強化する方針。
■ 新工場概要
所在地:台湾・新竹市 新竹市湖口工業団地
主な投資内容:製造・倉庫・オフィス機能を備えた新工場の建設
:CMPスラリーやフォトリソ周辺材料の製造設備や品質評価機器の導入
:工場敷地内への太陽光発電パネルの設置
着工予定:2024年春
稼働開始予定:2026年春
◇ 既存工場(台湾第3工場)
所在地:台湾・台南市善化區南部科學園區
主な投資内容:新棟の建設
:CMPスラリーや現像液の製造設備や品質評価機器の導入
着工:2022年9月
稼働開始予定:2024年春