ローカルエナジーシステム、愛媛県西条市に脱炭素バイオマス燃料の新工場
熊谷組は22日、清本鉄工と共同開発した脱炭素バイオマス燃料「ブラックバークペレット(国産バーク材原料、以下:BBP)」を製造販売する共同出資会社ローカルエナジーシステム(株)を設立したと発表した。
今回、愛媛県西条市にBBP製造工場を建設する。地域のバーク材(木の皮)を利用し、住友林業フォレストサービス(株)が調達を担当する。この工場は国内の林業活性化とCO2排出量の削減を目指し、石炭火力発電に混焼材として利用することで脱炭素社会の実現と電力供給の安定を目指す。木はCO2を吸収する役割を果たすため、伐採後に製材され、バークは廃棄物として扱われている。このバークを利用して脱炭素バイオマス燃料を開発した。試験燃焼では、太平洋マテリアル(株)や石炭火力発電事業者から一定の評価を得ている。
また、アジアでの石炭火力へのバイオマス燃料需要の増加や日本のバイオマス原料不足に対応するため、BBP研究・開発で得た半炭化技術・ノウハウをアジア諸国へ技術輸出し、現地で半炭化ペレットを製造する事業構想を検討している。既にベトナム産アカシアを原料にした半炭化ペレットの試験製造と国内の発電事業者への納入が開始されている。
■ 新工場概要
工場予定地:愛媛県西条市
設備投資額:約30億円
敷地面積:約12,000㎡
製造能力:約30,000トン
完成予定:2024年10月
販売予定:2025年2月
【BBP商品概要】
開発者:(株)熊谷組、清本鉄工(株)の共同開発
商品名:ブラックバークペレット(BBP)
主原料:バーク材(樹皮)
製造手法:バーク材を半炭化した木質バイオマスペレット
熱量:5,400kcal/kg(石炭と同等水準)
混焼率:最大30%以上(参考:HGI値53~55)
保管:高耐水性で野積み保管可能