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中外製薬、宇都宮工場に500億円超投資

2023年6月1日

中外製薬は5月30日、グループ会社である中外製薬工業の宇都宮工場内に、バイオ原薬製造棟と注射剤棟を建設すると発表した。

 新設するバイオ原薬製造棟(UT3)は第I相、第II相臨床試験用を含む中期段階以降の治験薬製造と初期商用のバイオ原薬製造を担う。この投資により、浮間事業所内で臨床開発から初期生産までの一貫した自社供給基盤が強化され、自社創製品の高速上市に貢献する。また、UT3では従来のバッチ式の生産方式に加えて、灌流培養の導入など連続生産機能も実装し、次世代のバイオ医薬品工場の実現に取り組む。

 新規注射剤棟(UTA)は初期商用の無菌注射剤製造を担う。新たな製剤技術を導入し、同社独自の抗体エンジニアリング技術を適用した、複雑な構造を持つ抗体の製剤化に対応する。さらに、ロボティクス活用により多品種少量生産を可能にするとともに、高度な自動運転・デジタル技術を活用し、生産性を大幅に向上させる。

 新たに建設するUT3とUTAは、ノンフロン設計や省エネルギー設計など環境負荷低減を推進する製造設備となる。また、両棟ともに浮間工場で構築・稼働した生産機能のオペレーションを支えるデジタル基盤を展開するほか、ロボティクスを活用しコスト競争力の高いスマートファクトリーを目指す。

■ 設備投資概要

◇ 宇都宮工場
所在地:栃木県宇都宮市清原工業団地16-3
敷地面積:121,573㎡
業務内容:バイオ医薬品の原薬と製剤製造、検査、包装

【バイオ原薬製造棟(UT3)新設工事】
総投資額:374億円
建築面積:3,206㎡(免震4階建)
延床面積:9,791㎡
設備概要:2,000Lシングルユース培養槽4基+精製1ライン
着工:2024年1月
竣工:2026年5月
稼動:2026年10月

【UT3設備概要】
ターゲット:商用・治験薬製造小スケール
培養層:2,000L×4基シングルユース(バッチ生産用)又は、
    500L×1基シングルユース(連続生産用)
特徴:シングルユース技術活用により稼働率・フレキシビリティを向上
  :連続生産機能を一部実装

【注射剤棟(UTA)新設工事】
総投資額:190億円
建築面積:2,589㎡(免震3階建)
延床面積:7,682㎡
設備概要:ロボット充填機
着工予定:2024年1月
竣工予定:2025年11月
稼動予定:2026年3月

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