大日本印刷、三原工場で光学機能性フィルム製造ライン増強
大日本印刷は13日、三原工場(広島県)で光学機能性フィルム製造ラインを増強すると発表した。
今回、2台目のラインとして2,500mm幅対応のコーティング装置を導入し、生産能力を15%以上向上させる。これにより、65インチの大型テレビ向けのフィルムの生産性を向上させ、拡大が見込まれる大型ディスプレー向けの光学フィルム需要に対応する。
近年、テレビなどディスプレーの大型化にともない、パネル・偏光板・フィルム等のディスプレー製品の面積拡大の需要は増加傾向にある。英国の市場調査会社Omdiaによると、テレビやPC等のモニターでは、2022~2026年の年平均成長率は5%、2022~2029年は4%の面積増加が見込まれている。また、65インチの大型テレビが主流になるなか、パネルや偏光板の中国メーカーが生産効率の向上に対応するために大型化に対応したラインを増強しており、2,500mm幅に対応したテレビ向け光学機能性フィルムのニーズが高まっている。
こうした動向に対してDNPは、生産した光学機能性フィルムから、65インチ用フィルムを効率良く取ることができる2,500mm幅対応のコーティング装置を2018年に偏光板向け保護用光学フィルム生産では世界で初めて導入している。今回この優位性をさらに活かすため、新たに三原工場に広幅コーティング装置を増設する。
また、今回増設した広幅コーティング装置は、同時に2層を塗工できる設計になっている。今後のディスプレーの高機能化、多様化にともない、多層のコーティングが必要となり、AG-LRフィルムや反射防止フィルムなどの需要にも対応していく。
■ 設備投資概要
所在地:広島県三原市沼田西町小原73-1(三原工場)
設備投資額:約130億円
生産品目:光学機能性フィルム
導入設備:2,500mm幅対応のコーティング装置
生産能力:従来比15%以上増(面積ベース)
量産開始予定:2025年度上期