三菱電機は20日、名古屋製作所の尾張旭地区に約425億円を投じて第二生産棟を建設すると発表した。

　FA制御システム市場では、EV・リチウムイオンバッテリーなどの脱炭素関連分野や、半導体・電子部品などのデジタル関連分野を中心に、中長期的な需要拡大が見込まれている。こうした需要拡大に対応するため、同地区に建設を進めている第一生産棟に加え、新たに第二生産棟を建設し、FA制御システム製品の生産体制を強化する。第一生産棟は2025年4月から、第二生産棟は2027年4月から順次稼働を予定。尾張旭地区での総投資額は約555億円となる。

　新生産拠点では、同じ敷地内に第一生産棟と第二生産棟を併設することで、物流動線の整流化による生産連携を図る。FA制御システム製品の次世代工場として、5G通信とAIの活用に加え、FA統合ソリューション「e-F@ctory」に基づいた高度なSCM、ECMの構築により、生産性・品質の改善サイクルを高速化し、納期の短縮と高品質・高効率な生産を実現する。

　また、同社のオートメーション技術活用による生産工程の自動化拡大に加え、自動搬送ロボットの活用による物流の効率化や、生産現場のデジタルツイン化による同期生産などにより、需要変動に強い生産体制を構築する。さらに、CO2排出量削減の取り組むなど、カーボンニュートラル社会の実現にも貢献する。