東レは13日、米国子会社Toray Composite Materials America, Inc.（以下：CMA）と韓国子会社Toray Advanced Materials Korea Inc. （以下：TAK）において、レギュラートウ炭素繊維の生産設備を増強すると発表した。

　今回の設備増強では、CMAのスパルタンバーグ工場（サウスカロライナ州）とTAKの亀尾工場（慶尚北道グミ市）の生産能力を増強し、東レグループ全体で現行の年産2万9千トンから3万5千トンに増強する計画で、2025年からの生産開始を予定している。

　レギュラートウ炭素繊維の需要は、カーボンニュートラルのメガトレンドを背景に、2030年にかけて年率17％の成長が予想されている。特に、圧縮天然ガス（CNG）タンクや水素タンクなどの圧力容器用途は、宅配業務用CNG車両とガス輸送タンクの需要が堅調に増加していることに加え、燃料電池を使用する乗用車、物流トラック、鉄道、船舶などへの採用が拡大しており、同用途向けのレギュラートウ炭素繊維の需要は今後急速に拡大する見込み。

　今回の生産設備増強により、圧力容器用途の需要が拡大している米国と韓国で安定供給体制を構築し、産業用途のレギュラートウ炭素繊維の需要拡大に対応する。また、航空用途等のレギュラトートウ炭素繊維の供給も安定化する見込み。