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第一稀元素化学工業、ベトナム新工場が稼働

2023年7月26日

第一稀元素化学工業は19日、子会社のVIETNAM RARE ELEMENTS CHEMICAL JOINT STOCK COMPANYがオキシ塩化ジルコニウム、その他ジルコニウム化合物の増産を目的に建設していた新工場が完成し、今年8月から生産を開始すると発表した。

 高機能材料として流通するジルコニウム化合物は、主にジルコニウム鉱石の粗精製塩であるオキシ塩化ジルコニウムを用いて製造されている。現在、オキシ塩化ジルコニウムのサプライヤーのほぼ全てが中国に存在しており、VIETNAM RAREは中国以外で鉱物からオキシ塩化ジルコニウムを製造する唯一のサプライヤー。

 ジルコニウム化合物の総合メーカーである同社グループは、オキシ塩化ジルコニウムの供給を特定国に頼っているリスクに対処するため、2012年3月、ジルコニウム鉱石の産出国であるベトナムにオキシ塩化ジルコニウムを製造販売する子会社を設立し、サプライチェーンの多様化に着手している。

 VIETNAM RAREは、当初パイロットプラントで操業を開始し、ベトナムでの事業課題を抽出。これらの課題解決に道筋がついたことから、2018年2月に新工場の建設を決定した。

 新工場では、ベトナムで産出するジルコニウム鉱石を主原料とし、バイオマス由来の熱源を採用するなど環境に配慮したプロセスと設備により、同社が使用するオキシ塩化ジルコニウムの約50%に加え、その他ジルコニウム化合物を製造する。

 同社グループは、新工場を有効活用して顧客ニーズに合った製品・サービスを提供するとともに、需要の拡大が予想される戦略分野(エネルギー、半導体・エレクトロニクス、ヘルスケア)で事業拡大を目指す。

■ 新工場概要

所在地:ベトナム社会主義共和国バリアブンタオ省
生産品目:オキシ塩化ジルコニウム、ジルコニウム化合物
着工:2018年3月
生産開始:2023年8月

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