ジャパンディスプレイは2日、鳥取工場（鳥取県鳥取市）における液晶パネルの生産を2025年3月に終了すると発表した。

　鳥取工場は、アモルファスシリコン（a-Si）技術対応の第4世代（ガラス基板サイズ：680mm×880mm）の液晶パネル生産ラインで、世界の自動車メーカー向けに車載用製品を中心に生産している。

　しかし、a-Si技術は成熟しており、同社の他工場で採用する低温ポリシリコン（LTPS）技術と比較してパネルの高性能化への対応が限定的であることから、近年LTPS液晶パネルの需要が拡大する一方、a-Siパネルの新規需要は減少を続けている。
また、車載分野に使用するパネルは大型化が進んでおり、第4世代のパネル生産ラインは生産性やコスト競争力で、同社茂原工場の第6世代（ガラス基板サイズ：1500mm×1850mm）の生産ラインに劣ることも課題となっていた。

　今回、顧客ニーズへの対応と、同社が取り組む競争力強化と収益力向上策の一環として、鳥取工場における生産を終了する。現在鳥取工場の生産ラインで生産中の製品は、2025年3月までに生産を終了する。生産終了後は、同社の戦略拠点として事業継続する。同工場にあるAutoTech事業部の開発、設計、品質保証等の機能は継続する。従業員については雇用を維持し、同拠点内や他拠点への配置転換等を予定している。