大陽日酸、千葉県君津市で設備増強
日本酸素ホールディングスは4日、事業会社の大陽日酸と日本製鉄が合弁で設立した君津サンソセンター(以下:君津SC)に空気分離装置とレアガス製造装置を増設すると発表した。
君津SCは、2022年9月に日本製鉄東日本製鉄所(君津地区)構内における各種産業ガスの生産効率化を目的に設立された。今回、日本製鉄東日本製鉄所(君津地区)への酸素ガス・窒素ガス・アルゴンガスの安定供給と大陽日酸への高品質製品供給のため、君津SCで省エネルギー型の最新鋭空気分離装置を1基新設する。
また、同時に大陽日酸はレアガスであるネオンの精製装置とクリプトン・キセノンの製造装置を設置する。レアガス(ネオン・クリプトン・キセノン)は大型空気分離装置における酸素・窒素・アルゴン製造時の副産物として採取するため、大型空気分離装置の少ない日本では、大半を輸入に頼っている。レアガスは主にエレクトロニクス・照明・宇宙・省エネルギー分野等で利用されており、近年、世界的に需要が増加する一方、供給はタイト化しているのが現状。
今回、経済安全保障推進法に基づき大陽日酸の「供給確保計画」が経済産業省の支援の対象として認定された。大陽日酸では、グループの九州サンソセンター大分工場でレアガスを製造しているが、国内生産を増強して安定供給体制を構築する。
■ 設備投資概要
【君津SCが設置する新規空気分離装置の概要】
生産能力:酸素ガス 60,000Nm3/h
:窒素ガス 120,000Nm3/h
:液化アルゴン 2,100Nm3/h
稼働予定時期:2025年6月末
【大陽日酸が設置する新規レアガス装置の概要】
設置場所:(株)君津サンソセンター
◇ ネオン精製装置
生産能力:27,000千L/年
稼働予定時期:2026年3月
◇ クリプトン・キセノン製造装置
生産能力:クリプトン1,000千L/年、キセノン125千L/年
※君津SCではクリプトン・キセノン混合ガス(中間製品)を製造する。最終精製は九州SC大分で実施する。九州SC大分での生産能力は君津SCとの合算でクリプトン2,000千L/年、キセノン250千L/年となる。
稼働予定:2025年8月