NECプラットフォームズ、掛川事業所の新工場が稼働
NECプラットフォームズは29日、静岡県掛川市の掛川事業所内に建設した新工場が本格稼働を開始したと発表した。
掛川事業所は、ネットワーク関連機器などを製造している。昨今、半導体逼迫などの経験からサプライチェーン網の強靭化や、経済安全保障の観点から国内での高度な生産体制の構築が求められている。一方で生産年齢人口の減少による人手不足が進む中、中長期的にネットワーク関連機器を安定供給するため、生産効率を高めた新工場を建設し、国内の生産体制を強化する。
新工場は、地上4階建て、延床面積15,632㎡で、主に5Gモバイルルータ、5Gホームルータ、ホームゲートウェイ、企業向けLANスイッチ、無線LAN製品などを製造する。また、ICカードと顔認証を組み合わせた厳格な入退出管理によるセキュリティ対策や、各フロアの入り口にエアシャワー付きバスボックスを設置するなど工場のクリーン度(清浄度)を強化している。
工場内は、ローカル5Gを活用した自律走行搬送ロボット(AMR)の運用や、AMRと無人搬送車(AGV)の同時複数台制御など、先進技術を活用した仕組みを取り入れることで製造工程の自働化・高度化を図り、掛川事業所全体で生産効率30%向上を目指す。AMRの導入により工場内のフロアレイアウトの自由度も向上しており、新製品の生産ライン立ち上げや増産・減産など、変動する市場環境や顧客ニーズに柔軟に対応する。ローカル5Gを生産ラインに敷設して複数台のAMRを運用することは製造現場で先進的な取り組みとなる。
また、新工場の屋根に太陽光パネルを設置。年間約281Mwhの発電量を見込んでおり、新工場の消費電力の約10%を再生可能エネルギーで賄い、CO2の年間排出量を約120t削減できる予定で、持続可能な脱炭素社会の実現に貢献していく。
■ 新工場概要
所在地: 静岡県掛川市下俣800番地(掛川事業所)
延べ床面積:15,632㎡
生産フロア:9,315㎡
建物構造:鉄骨造、地上4階建て
主力製品:5Gモバイルルータ、5Gホームルータ、ホームゲートウェイ、企業向けLANスイッチ、無線LAN製品
着工時期:2022年3月
竣工時期:2023年4月