日鉄エンジニアリング、千葉県富津市に試験設備新設
2023年9月12日
日鉄エンジニアリングは7日、日本製鉄の技術開発本部REセンター(千葉県富津市)内に「アンボンドブレース」(以下:UBB)の実大試験を行う国内最大級の「一軸・斜め載荷試験機」(以下:新試験機)を新設し、運用を開始したと発表した。
UBBは、地震の揺れから建物を守る建築部材で主に建物の筋交い材に用いられ、軸力を負担する中心鋼材(鋼板)をモルタルと鋼管で拘束した座屈拘束ブレース。中心鋼材とモルタルとの間に特殊な緩衝材(アンボンド材)を介在させることで、モルタルと鋼管(座屈拘束材)は軸力を負担せず、引張・圧縮ともに同性状の安定した力学的特性を有する耐震ブレース・制振ダンパーであり、1988年以来、国内外で累計販売実績は約15万本に達している。
同社はこれまで自社試験機(一軸、最大軸力±3,000kN)や海外の大型試験機を用いてUBBの性能確認を行ってきたが、さらなる技術データの取得・分析やUBBの大型化に伴う大軸力への対応を実現する新試験機を導入した。
これにより、従来の自社試験機の2倍の最大軸力(±6,000kN)の一軸載荷試験が可能になる。また、実際の建物設置を想定した筋交い状の斜め配置で試験を実施でき、従来の自社試験機の約3倍の最大軸力(±8,400kN)の斜め載荷試験が可能となるため、大規模建築物に適用する大軸力UBB試験を「実大」で行うことができる。今後、UBB実大試験での技術データを拡充し、大軸力UBBの性能と品質の向上を図る。
■ 設備投資概要
所在地:千葉県富津市新富20-1(日本製鉄 REセンター)
設備:一軸・斜め載荷試験機
運用開始:2023年9月