島津製作所、中国で質量分析計の生産増強
2023年9月25日
島津製作所は14日、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)とガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)の安定供給に向けて、中国国内でのMS(質量分析計)上位機種の製造を開始すると発表した。
中国ではLC-MSやGC-MSの臨床向け需要が増大している。一方で、中国政府は国産医療機器を優遇する「輸入品の政府調達に関する監査ガイドライン」を2021年5月に発表しており、分析機器、医療機器における政府調達時の国産品比率の目安が示された。
同社は、こうした状況を鑑みて、2022年10月から試験的にLC-MSやGC-MSを中国で製造開始しており、今秋より本格的に生産・出荷を開始する。
製造を担当する島津儀器(蘇州)有限公司は、島津製作所が中国で販売する分析計測製品の約2割を製造する工場。1998年に市場ニーズに対応した価格競争力の高い分析計測製品を生産・供給する拠点として設立され、主に中級・汎用機種のLC-MSや液体クロマトグラフ(LC)、紫外可視分光光度計(UV)などを製造している。
今回、LC-MSに加えてGC-MS、ガスクロマトグラフ(GC)、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)などの上位機種の製造開始に伴い、2024年夏の竣工を目指して工場を拡張している。拡張にかかる投資額は約30億円。
島津製作所は、2023年度から始まった中期経営計画で「グローバル製造の拡大」を掲げており、今回の生産拠点の拡大もこの一環となる。
■ 工場拡張概要
所在地:島津儀器(蘇州)有限公司
投資額:約30億円
事業内容:質量分析計等の製造
竣工予定:2024年夏