アイカ工業、中国・広東省に新工場建設
アイカ工業は26日、海外グループ会社で化成品を製造するアイカ広東社が接着剤等の新工場を建設し、開所式を行ったと発表した。
同社グループは、国内建設市場の動向に左右されにくい経営体質を目指して海外での事業展開を進めている。化成品事業では、アジア・オセアニア地域の需要に焦点を当て、グループ内の協力や生産力向上に力を入れている。特に、フェノール樹脂は同社の主力商品であり、中国での拡張プロジェクトの一環として、アイカ広東社の製造工場を約60億円かけて拡張移転し、生産能力を2倍に向上させる。
今回増強した生産能力とこれまでの販売網・技術・ブランド力を活かしてさらなる成長を図り、2022年度に1,413億円だった化成品セグメントの売上高を、2026年度には1,750億円へ伸長させる計画。
新工場では、電力消費を削減するため、スチームチラーシステムを導入し、樹脂合成時に発生する蒸気エネルギーを活用して冷却水を生成する。余剰エネルギーはオフィスの冷暖房にも使用される。また、フェノールと水の廃液を分別し、フェノールを再利用するシステムも採用されている。さらに、自動倉庫ラックが導入され、生産から販売までのデータを効率的に管理し、工場の運営効率を向上させ、自動化によりオペレーションの正確性を高める。
■ 新工場概要
名称:アイカ広東社パークサイド工場
所在地:広東省肇慶市高要区金利镇产业大道88号(本社より西に約10km)
設備投資額:総額約60億円(2億9,300万元、1元=20.35円にて計算)
敷地面積:37,358㎡
延べ床面積:16,286㎡(RC造)
事業内容:工業用接着剤・樹脂、合板用接着剤の製造
工事期間:2021年6月~2023年8月
稼働開始:2023年9月中旬